古代と現代に共通する「心柱」の考え方
法隆寺の五重塔(高さ約32m)には、中心に 心柱(しんばしら) と呼ばれる縦の柱があります。
一方、東京スカイツリー(高さ634m)でも、内部に 心柱に似た“センターコラム” が設けられています。
時代は1,300年以上離れていますが、どちらも「建物の中心で揺れを吸収する」という発想が一致しています。
地震が多い日本だからこそ生まれた、とても合理的な方法と言えるでしょう。
揺れを小さくする「振り子の仕組み」
五重塔は、上の層ほど軽く、下にいくほど重くなる設計です。
地震の時、建物全体がゆっくり“しなる”ことで、大きな倒壊を防ぎます。
東京スカイツリーでは、心柱と外側の鉄骨が少し離れている構造を取り、地震の揺れを**“振り子のようにずらして”吸収する制震構造**が組み込まれています。
考え方そのものは古代の知恵に近く、現代技術で大きく発展しました。

重心を下げて安定させる工夫
五重塔は、屋根の重さが層ごとに変えられ、全体の重心が下になるよう調整されています。
このバランスによって、強風や地震でも倒れにくくなっています。
スカイツリーでも、地上部の約65,000トンの鉄骨が下部に集中し、安定感を生む設計です。
巨大な建築物ほど重心のコントロールが重要で、両者に共通点が見られます。
地震のエネルギーを逃がす構造
法隆寺の塔は、建物どうしをがっちり固定せず、あえてゆるく接合しています。
その結果、各層が少しずつずれながら揺れを逃がす働きが生まれました。
スカイツリーも、外側の骨組みと中心の柱を完全には固定せず、揺れを吸収する仕組みを持っています。
“動いて守る”という考えが古代から現代まで続いているのです。
まとめ
法隆寺の五重塔と東京スカイツリーには、どちらも中心の柱で揺れを抑える工法や、重心を下げて安定させる工夫が取り入れられています。
古代の知恵と最新技術には共通点が多く、安全な建物づくりに欠かせません。
そして、これらのアイデアを正しく使うためには、建物の強さを数値で確かめる構造計算がとても重要になります。




