構造トリビア

木造・鉄骨・RC造は、地震のときどう揺れ方が違うの?

中野幸也

建築士✕金融ライター|1987年 国立豊田工業高等専門学校卒業、東京都内の構造設計事務所を経て、静岡市役所に勤務の後退職|2025年 ゆうき未来ラボ一級建築士事務所設立|安心構造計算で安全な建築を実現|一級建築士


はじめに

「地震に強い家がいい」と思っても、
構造によって“揺れ方そのもの”が違うことは、あまり知られていません。

実は、

  • 木造
  • 鉄骨造
  • RC造(鉄筋コンクリート)

は、同じ地震でも感じ方がかなり違います。
ここでは難しい話を省いて、イメージで説明します。


建物の構造による揺れ方の違い

木造は「しなる」ことで揺れをやわらげる

木造住宅は、竹のように少ししなることで地震の力を受け流す家です。

  • 建物が軽い
  • グニッと動いて力を逃がす
  • 揺れは感じやすいが、粘り強い

そのため、
「よく揺れたけど壊れなかった」
というケースが多いのが木造です。

ただし、壁が少なかったり、間取りのバランスが悪いと、
一部だけ大きく揺れてしまうこともあります。


鉄骨造は「大きく揺れても折れにくい」

鉄骨造は、金属のしなやかさで耐える構造です。

  • 揺れは大きくなりやすい
  • でも、折れたり壊れにくい
  • 高い建物にも向いている

特に上の階では、
「ゆっくり大きく揺れる」
と感じることがあります。

ジェットコースターで例えると、
ガタガタは少ないけど、振れ幅が大きいイメージです。


RC造は「重さ」で揺れを抑える

RC造は、とにかく重くてガッチリした構造です。

  • 建物が重い
  • 揺れにくい
  • 安定感がある

体感としては、
「あまり揺れを感じない」
という人が多いです。

ただし、重いぶん、
地盤や基礎が弱いと逆に負担が大きくなることもあります。


構造ごとのメリット・デメリット

建設コストと長持ちしやすさ

ざっくりまとめると、次のような傾向があります。

初期費用を抑えたいなら木造、長持ち重視ならRC造という考え方が一般的です。


音・暑さ寒さの感じ方

揺れ以外にも、住み心地は変わります。

  • 木造:冬は暖かいが、音が伝わりやすい
  • 鉄骨造:仕様によって差が出やすい
  • RC造:音は静かだが、冬は冷えやすい

「地震だけ」で決めるより、
普段の暮らしやすさも大切な判断材料です。


実は一番大事な「揺れを決めるポイント」

建物の高さと重さ

構造よりも、
何階建てか・どれくらい重いか
のほうが揺れに影響することもあります。

  • 高い建物ほど揺れやすい
  • 重い建物ほど力が大きくなる

そのため、同じ木造でも
「2階建て」と「3階建て」では揺れ方が違います。


壁の位置が偏っていないか

これはとても重要です。

  • 壁が片側だけに多い
  • 窓が多くて壁が少ない
  • 上と下で壁の位置がずれている

こうした家は、
地震のときに“ねじれるように揺れやすい”傾向があります。

つまり、
👉 どの構造かより、どういう間取りか
が揺れ方を左右するのです。


まとめ(超シンプルに)

  • 木造:よく揺れるが、しなって耐える
  • 鉄骨造:大きく揺れても壊れにくい
  • RC造:重くて揺れにくい

ただし、
「この構造だから安心」とは言い切れません。

本当に大切なのは、

  • 壁の配置
  • 建物の固さのバランス
  • 地盤の強さ

これらをきちんと考えた構造設計を行う事が大切です。


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